職場では対話を心掛けている。では、家庭では?
職場では、対話の重要性が広く語られるようになりました。
では、家庭ではどうでしょうか。
- パートナーが不満を口にしたとき。
- 子どもが悩みを打ち明けてきたとき。
- 親との意見が食い違ったとき。
私たちは職場で学んだ対話を、そのまま実践できているでしょうか。
TTIがさまざまな組織で対話支援を行う中で感じるのは、多くの人が対話の重要性を理解している一方で、最も身近な相手との対話に難しさを感じているということです。
家庭での対話の難しさ
興味深いのは、対話が難しくなるのは「関係が悪い相手に対してとは限らない」という事実です。
むしろ逆の場合があります。
- 相手を大切に思っている
- 失敗してほしくない
- 困ってほしくない
- 期待している
こうした思いが強いほど、私たちは相手の話を理解する前に、自分の考えを伝えたくなります。
- パートナーの悩みを聞いているつもりが解決策を提示している。
- 子どもの相談を聞いているつもりが助言になっている。
相手が大切だからこそ、私たちは話を最後まで聞く前に介入したくなるのではないでしょうか。
言い換えると、対話を妨げるのは無関心だけではありません。
「相手のため」という善意もまた、対話を閉じることがある、ということです。
実は、職場でも同じかもしれません
この視点は、職場にもそのまま当てはまります。
- 部下の成長を願うあまり、考える前に答えを与えてしまう。
- プロジェクトの成功を願うあまり、異論より結論を優先してしまう。
- チームを守りたいあまり、不都合な意見を避けてしまう。
職場で起きていることと、家庭で起きていることは意外によく似ています。
だからこそ、家庭での対話は興味深い鏡になります。
- 私たちは本当に相手の話を聴いているのか。
- 理解する前に評価していないか。
- 相手のためと言いながら、自分の不安を解消しようとしていないか。
こうした問いは、家庭だけでなく、リーダーシップそのものを見直す問いでもあります。
まとめ
私たちは対話をスキルとして学びます。
しかし、本当に難しいのはスキルを知ることではありません。
難しいのは、相手を大切に思う気持ちと、相手をコントロールしたい気持ちを見分けることです。
私たちは相手のために話しているのか。
それとも、自分の不安を解消するために話しているのか。
家族との会話を振り返ると、そんなことを考えさせられます。
※本記事は、Crucial Learning社の公開記事をきっかけに、Talk to Impact株式会社の視点で対話について考察したものです。