前回の続きです
前回のコラムでは、Crucial Conversationsの観点から、会議の質を考えました。
今回は、少し違う角度から、会議の中に表れる「関係性」を見てみましょう。
日常の会議では、どうしてもその場の中から物事を見がちです。
「うちではこれが普通」
「この進め方が一番やりやすい」
「この人はいつもこういう人」
そう思っていても、一歩引いて見てみると、違って見えることがあります。
今回は、会議を少し客観的に見るための3つの視点をご紹介します。
1.大切にしていることが偏っていないか
会議では、それぞれが大切にしていることが表れます。
「早く決めよう(結果)」
「もっと慎重に考えよう(プロセス)」
「みんなが納得してから進めよう(人)」
どれも大切な視点です。
ただ、会議の中で似た方向の意見ばかりが続いているなら、
チームとして、見る視点が偏っているかもしれません。
早く決めることを重視しすぎて、十分な検討ができていない。
慎重さを重視しすぎて、なかなか前に進めない。
全員の納得を重視しすぎて、必要な反対意見が出にくくなっている。
重要なのは、どれが正しいかではありません。
今、自分たちは何を大切にして話しているのか。
逆に、何を見落としている可能性があるのか。
少し外側から見てみることです。
2.誰かの「良さ」が、出すぎていないか
強みは、できるだけ生かした方がよい。
一般的にはそう考えますし、基本的にはその通りだと思います。
一方で、強みは使えば使うほどよいとは限りません。
例えば、
率直に意見を言えることは強みです。
ただ、強く出すぎると、相手には一方的に感じられることがあります。
周囲に配慮できることも強みです。
ただ、行きすぎると、必要なことを言えなくなることがあります。
論理的に考えられることも強みです。
ただ、強く出すぎると、人の感情や事情が置き去りになることがあります。
会議の中で、「今、誰かの強みが少し強く出すぎていないか」「チーム全体として強く出すぎているものはないか」と見てみる。
強みそのものを否定するのではなく、今の場面でどのくらい使うのがよいのかを見る。
それだけでも、見え方は少し変わります。
3.誰かの「いつもと違う」に気づけているか
会議では、ときどき普段と違う反応が表れます。
普段はよく話す人が、急に黙る。
いつもは協力的な人が、強く主張し始める。
普段は柔軟な人が、細かい点にこだわり始める。
そんな変化があったときに、
「今日は機嫌が悪いのかな」
「また面倒なことを言い始めた」
で終わってしまうこともあります。
でも、少し立ち止まって、
「何か大切にしているものが脅かされているのではないか」
「何か懸念があるのではないか」
と考えてみる。
そして、必要であれば本人に聞いてみる。
誰かの行動の変化を、単なる問題行動ではなく、一つのサインとして扱えるかどうか。
ここも、会議の状態を見るうえで大切なポイントです。
会議を、少し外側から見てみる
今回ご紹介したのは、
・大切にしていることが偏っていないか
・誰かの「良さ」が出すぎていないか
・誰かの変化に気づけているか
という3つの視点です。
日常の会議に参加していると、どうしてもその場の中から物事を見ます。
だからこそ、ときどき、
「自分たちは今、何を大切にしているのか」
「誰かの強みが強く出すぎていないか」
「普段と違う変化は起きていないか」
と、少し外側から見てみる。
こうした「何を大切にしているか」「強みの出方」「対立やストレス時の行動変化」に注目する考え方は、SDIでも大切にされている視点です。
会議を少し客観的に見る。
それだけでも、いつものチームの見え方が少し変わるのではないでしょうか。