答えられなかった質問から、講師として決めたこと




高い評価をいただく中で、考えること

ありがたいことに、研修後に、

「任せてよかった」
「時間があっという間だった」
「また研修を受けたい」

といった言葉をいただくことがあります。

もちろん、満足度が高いことと、その後に行動変容が起きることは同じではありませんが、
学びに対してポジティブに受け止めていただけた、という点で嬉しく思います。

それでは、なぜそのように評価していただけるのか。

自分なりに振り返る中で思い出すのが、講師を始めて4、5年目のころの経験です。

自分でやっていないことは、うまく語れなかった

恥ずかしながら、当時自分で十分に実践していないことを、あたかも正解のように伝えてしまったことがありました。そして、そのあと参加者から具体的な質問を受けたとき、的確に答えることができませんでした。

講師は、知識として持っているだけでは不十分だということを痛感した出来事でした。

それ以来、研修で扱う考え方やスキルは、まず自分自身が実践する努力をしています。

完璧にやれているかというと全くそんなことはありません、ただ、

10%しか使えていなかったものを、20%、30%にしていく。
スキルを使うシーンを、1つ2つと増やしていく。

その努力や工夫は重要だと思います。

自分でも試しているからこそ、難しさや失敗、最初の一歩を話すことができます。
「講師だからできる」ではなく、「自分にもできそうだ」と感じてもらうことができます。
変化する環境や時代に合わせて、ポイントや事例をアップデートすることができます。

そんな積み重ねが、講師としての力を高めてくれているのかもしれません。

「難しい」を、すぐに否定しない

また、研修では、

「実際の職場では使えない」
「やってもうまくいかない」
「現実的ではない」

といった反応をいただくことがあります。

そんなときは、まず参加者の反応や、参加者本人に寄り添うところからはじめます。

参加者には、それぞれ異なる経験や環境があります。
難しい理由を知らないまま、「やればできます」とは言えません。

話を聞いてみると、「それはそうだよな」と思うこともよくあります。
その中でどう使っていただけるか(本当に使えるか)?何が参加者にとってプラスなのか?

そんなことを一緒に考えるのは、講師としてとても大切で、かつ楽しい時間です。

一方で、研修内容の理解が違っていれば、そこは丁寧に確認します。

人の感じ方や事情は否定しない。でも、内容は曖昧にしない。

その両方を大切にしています。

研修後に、1ミリでも動いてもらえるかどうか

結局、私が研修で目指しているのは、参加者が日常に戻ったときに、これまでとは少し違う行動を一つ試してもらうことです。

1センチでも、1ミリでも行動が動けば、それは変化です。

その小さな一歩を、「やってみよう」と思える時間をつくる。

私はそんなことを大切にしながら研修をしていますし、
参加者の皆さんに変化を求めるだけでなく、私自身が少しでも変わり続けられる人間でいたいと思っています。

今回書いたことは、あくまで一人の講師の経験と、そこから得た学びです。
また別の機会に、弊社のほかの講師がどのようなことを大切にして研修に向き合っているのかも、整理してご紹介できればと思います。

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